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海にて



こうして、海に向かって糸を垂れる。

足場は悪い、テトラポッドの上。




目は、波間を見渡し、小魚の動向を冷静に見守る。


静かに、かつ、集中してそのときを待つ。



突然、ピシャピシャ言いながら。


小魚が水面を走り回る。


これは、小魚を大魚が追っていることを示す。


逃げ場がなくなった小魚は、必死に逃げようとした挙句、空中に飛び出してしまう。


そんなときこそ、最大のチャンス。

小魚のサイズを見極め、その大きさと色に合う疑似餌を即座に選択。


水中の捕食魚の動きを推測し、迅速に疑似餌を投げて操る。


偽物の疑似餌が、まるで生きているかのように。


そして、弱って苦しみもがきながら漂っているかのように操る。


見破られたら、永遠に音沙汰はない。



全神経を釣り竿の先に集中し、魚からのコンテクトがあった刹那。


鋭く合わせを入れ、針を魚の口にガッチリ掛ける。

そこからが、第二の勝負。


必死に糸を引っ張って逃げようとする魚。


力比べをしたら弱い糸は切れてしまう。

相手が逃げるときには糸を出し、相手が息継ぎのために休む瞬間に間髪いれずに糸を手繰る。

しかし、慌ててまた魚が走ったら、釣り糸を送り出す。


竿と糸を通しての命のやりとり。


こめかみに、汗が溢れる。

そうして数分後、魚が水面にぬおっと浮かぶ。


そして、水際まで降り、口を掴む。





おっしゃあ。


やっと、安堵の息をつける。


静かに、勝利に酔えるひととき。



しかし、そこですぐさま血を抜く。

ひとで言えば肺、魚の場合は鰓(えら)を切る。

ここはもっとも血が通う場所。


そして、すぐさま腹を割って内臓を出す。

取り出した内臓をよく見ると。


心臓がまだ動いている。

拍動に連動して、血が血管からぴゅっ、ぴゅっとと飛び出て、腕に掛かる。




命を奪った瞬間。

血に染まった腕で、魚体を掴み、クーラーに入れて氷で締める。



こうして、しっかり鮮度処理を行い。


家に持ち帰り美味しく頂く。


命を奪う以上、美味しく頂くのが礼儀。

僕らの血となり、肉となる。


命を無駄に終わらせず、受け継いでいく。


こうして僕らは、様々ないのちを頂いて、生かされている。
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プロフィール

atsutaya

Author:atsutaya




生粋の里山育ち。


*ククリワナ猟でイノシシやシカ。
*魚釣り、時に潜りとジゴク漁。
*貝にワカメにカニに山菜。
*秋はひたすらオオスズメバチ追い。

巡る季節のなか、自然に遊んでもらいながらも真剣に。
そんな日々の暮らしを綴るブログです。

著:(これ、いなかからのお裾分けです。)

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