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ちゅうちゅうタコかいな 2

世の中には、タコを釣る仕掛けがある。

たこを狙って釣りをするおんちゃんもいっぱいおる。

でも、市販で買ったら仕掛けが一つ7~800円する。

海底に生息するタコを狙う釣りでは、根掛かりによって仕掛けをなくしやすい。

つまり、一つ仕掛けをなくしたら数百円がなくなってしまう。

それじゃ、お店でタコを買ったほうが安くあがってしまうことになる。

もちろん、なくさないようにやるのが技術だけど。

なくすこともしばしばある。

そのたびにでかい損失をしていたら、たまったもんじゃない。


僕の釣りは、生活に密着していて、道楽では決してない。

食べもんを得るために釣りをするのに、無駄な投資をしてたらなんの意味もない。

だから、いかに安く自分の手で作るか、っていうのが僕の中での一つのキーでもある。

『ないものは、自分の手で創り出す。』

失敗しながら、よりよいものを生み出していく。

それが、僕の生き方の基軸にある。


先日、偶然堤防であったおんちゃんが使ってる手製のタコ仕掛けのすごいことすごいこと。

ぱっと見ただけで、知恵の詰まった宝箱なのが見て取れた。

そりゃもう僕は大興奮だったよ。

だから、しつこくくらいついて観察させてもらった。

ほんとうにすごいから、その技術を自分のものにしたいと僕は強く思った。

そしたら、根負けしたのか、気に入ってくれたのか、若僧にぽつぽつ語ってくださった。

ひとつ、40円もかからずに拵えるそうな。

こんな道具で、こんな方法で作りんさい。

と、作り方を教えてくれた。

『この仕掛けをひとつやるから、見本に持って帰り。』と、そこまで言ってくれた。

その気持ちが、とっても嬉しかった。

でも、さすがにそこまでしてもらったら申し訳ない。

だから、丁寧にお断りした。

でも、その日のうちに作り道具を構え。

そして先日、見よう見まねで。

やけどをしながらも自分なりに作ったのだった。



よし!

タコ釣りいくべ!って思ってたけど。

先週の大雨のせいで海に真水が多く流入し。

真水を嫌うタコを釣るには悪条件が続いてた。

そこそこ天気が続き。

久しぶりに今日はしごとだったから、前におんちゃんにお会いした海のそばへ。

さっそく、以前の堤防に行ってみた。

すると、あのおんちゃんそこにいた。

どうやら、最近やっとタコがアタりだしたようで、毎日来てるそうだ。

昨日は二つ釣ったという。

話すうちに、

『仕掛け作ったか!』

と聞かれ。

『作りました~!!』

と答えると。

『ほうか~!!ちょっと見せてみい!』

『はいっ!!』

仕掛けを手に渡すと。

『こりゃ上等やかー!上手にできとらぁ。』

とニコニコしながら褒めてもらえた。

そりゃ嬉しかったなぁ。

ほんで、今からそのおんちゃんもタコを狙うというから、僕も隣でやらせてもらうことに。

そのおんちゃんは、冬は猟をしてるそうで、エサにはイノシシの脂身を使ってた。

タコの好物はエビやカニ、小魚。

でも、雑食だからなんでも食べる。

だから、地域によってはブタの脂身を使ったり、らっきょうを使ったりする。

共通しているのは、そう。

白いということ。

ここにもなにか不思議があるのですね。


僕は、えさは何も買ってきてないので、その場でまずカニ探し。

テトラポッドの間で、素手でカニを捕まえる。

タコが普段食べているものを目の前に差し出したら、躊躇なく喰らいついてくる。

でも、現地でエサを調達するには、能力がいるし労力がかかる。

だから、みんなは普通はスーパーで買ってきた魚や、疑似餌という偽物のえさで狙う。

でも、圧倒的に食いがいいのは、生きた、その場にいるエサ。

そうしてエサのカニを捕り、仕掛けを海中に放り込んで一投目。

すぐさまアタリ(タコが仕掛けを食ってる信号)がきた。

一瞬で神経が張り詰める。


きた!

頭の中が、身体の感覚が研ぎ澄まされる。

狙い通りタコがエサを喰った!

隣でタコを狙うおんちゃんに、声を掛ける。

『来たで!!』

『ほんとか!?』

『うん!ちょっと待ちよってよ!』

後は、タイミングを見計らってアワセを入れなきゃならん。(アワセは、力を込めて釣り糸を引っ張り、針をしっかり
獲物にかける意味がある)

これが遅いと、穴に潜られたり、エサだけ齧られたり。

これが早いと、タコの身体に針が刺さらず、空振りしてしまうのだ。

だから、勘で水中のタコのご飯を食べる様子を予測し、ここぞ!っと思うタイミングで力いっぱい竿を立てて糸を手繰る。

ひたすら、手繰る。

なぜなら、タコには脚があり、手がある。

魚には、ない、足がタコにはある。

これがあるから性質が悪い。

この脚で海底にへばりつかれたら、滅多なことじゃ上がってこなくなる。

もし張り付かれたら、人の負けだ。

タコのしなやかで力強い筋肉は、半端でないから。


だから。

エサに夢中になって、海底にへばりつくのを忘れてひたすら齧っているときに針にかけ、そしてすぐさま海底からひっぱがす。

もしもたもたしてたらずるずる穴に入り込み、決して出てこない。

だから、ひたすら糸を引っ張って海底から浮かせるのだ。

これが、タコ釣りの醍醐味でもある。

そうして、とうとう水面にタコが浮いた。

それを見て隣から声が上がる。

そして、一気に堤防の上まで放り上げる。

そして、目の間をナイフで刺し、神経を切って締める。

これで、やっと一息。


顔をあげると、にこにこ笑顔のおんちゃんと目が合った。



初めてお会いし、仕掛けの作り方を教えて貰い。
自分の力で作り上げ。
そして今日再度お会いし。
出来具合を報告し。
エサを己の手で獲り。
それでタコを獲った。

これは、二人でこの一杯のタコを釣ったようなものだ。

僕は、ほんとうに嬉しかった。

がっちりと握手を交わし。

そこに、言葉なんかなくても通じるものがあった。


そして、その一匹に二人ともチカラが入った。

一匹釣れたということは、他にもおることが多いからだ。

また、タコは夫婦でおることが多いから、まだいる可能性が高い。

そこで二人で集中し、再度狙う。

数分後、僕の竿に再度アタリが来た。

冷静に対処し、この一匹も無事針掛かりさせて海底から引っ剥がした。

水面に浮いた姿はさっきよりデカイ。

これには、おんちゃんも興奮気味。

もちろん、僕もそうだった。

『おんしゃあ若いにやるにゃ~』

“にゃあ~”というのは語尾につける土佐弁。

という言葉を貰った反面、僕にはひとつ閃いた。

これは、場所がいいとか腕がいいとかじゃない。

連続で僕の竿にだけアタリが来たのは、タコがカニを求めているからだ。

ということに気づいた。


若僧に仕掛けの作り方を教えて、若僧が喜んでるまではいい。

でも、その小僧ばかり釣れて自分が釣れなかったら、なんかしらの気持ちが沸き起こるはず。

悔しいとか、自分も釣りたいとか。

そもそも、おんちゃんが仕掛けを教えてくれなかったら僕はタコが釣れていない。

だから、僕にできる範囲で何かしたい。

そこで、『おんちゃん、ちょっと待ちよって~』

とだけ言い残し、再度カニを捕まえにそそり立つテトラポッドの中に行った。

『危ないからやめちょけ!!』

と言われた。

でも、『大丈夫!』

とだけ答えた。

もちろん、滑り落ちて腕にヒビを入れたこともあるし、怖い思いを何度もした。

だからこそ、テトラポッドをなめてはいない。

でも、経験を積んでて、落ちないような脚を運ぶ技術がある。

かといって慢心はしていない。

恐る恐る、でも確実に。

そして、水に浸かりながらも無事カニを捕まえた。

それを持っておんちゃんに。

『これ使ってや、おんちゃん』

『これがたぶん一番タコがアタル。仕掛けを教えて貰ったお礼やき、遠慮なく使ってや。』

そして、おんちゃんも素直にそれを受け取って使ってくれた。


数分後、おんちゃんの竿が大きく曲がった。

そして堤防の上に放り投げられたのはいいサイズのマダコ。

そして、すぐにまた僕の竿に来た。

これも同じサイズ。

と思ったら、またおんちゃんの竿が曲がってる。

そして、少し小ぶりのマダコが上がった。

『こりゃやっぱり生きたカニがええのぉ~!』

と笑いながら言うおんちゃん。

それを見て、素直に嬉しかったなぁ。

やっぱり、世の中はもちつもたれつなんよね。

だから、何かをして頂いたら、有難うという言葉だけでなく、自分にできる範囲で相手のために何かしたい。

それで、いいと僕は思う。

これであのおんちゃんに次また会ったとき、お互いに話ができる。

こうして、つながりが生まれる。


それは、誰とでもというわけではない。

やっぱり、相手によって選んでしまう。

それは、相手の佇まいから無意識のうちに感じ取ってしまうもの。

だから、自分で納得できる生き方をしていたいと僕は思うのだ。


今日のタコさんたち。





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これっくらい元気いっぱいで、素朴で、うまいもんを、みんなが求めてる。

それは、自然のものだから。 と僕は思う。
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プロフィール

atsutaya

Author:atsutaya




生粋の里山育ち。


*ククリワナ猟でイノシシやシカ。
*魚釣り、時に潜りとジゴク漁。
*貝にワカメにカニに山菜。
*秋はひたすらオオスズメバチ追い。

巡る季節のなか、自然に遊んでもらいながらも真剣に。
そんな日々の暮らしを綴るブログです。

著:(これ、いなかからのお裾分けです。)

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