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思いを馳せる。

ニホンミツバチの巣箱の中。



冬越しのために、せっせせっせと蜜を貯めている。
人は、それを少しお裾分けしてもらう。





秋になって気温が下がり始め、コオロギやバッタなんかの昆虫が減ってくると。
このミツバチを襲うのがオオスズメバチ。




今、まさに襲っている最中。
仲間を引き連れ、巣の内部に入ろうとしている。

大きな顎で、ガリガリ板を齧る音が聞こえる。


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こうなったら、ミツバチを飼う人間にとっても。
ミツバチにとってもたまったもんじゃない。



そのオオスズメバチに、こうして。
PA164293_convert_20111108133556.jpg

紙をつけて、空に飛ばし。
巣に帰るオオスズメバチを追いかけ、山中の巣を探し当てる。




そして。
合羽を二枚に、長靴履いて、ツルハシでガシガシ地面を掘って巣を獲る。

あたりには、轟音と共に数多くの蜂が飛び交う。
そればかりか、一斉に飛びついて刺してくる。

それにかまうことなく、巣を獲る男たちが宮崎にもいた。
命を懸けて巣を探し当て、獲り、食う男たち。
競争率も、かなりのものだった。

宇納間、日之影、高千穂、諸塚、椎葉…。


食べ方にも、ハチそーめん、ハチどんぶり、生のサナギを焼酎に溶かしたり。
地元より、はるかに豊富な食べ方があった。


こんなお店もあった。
ここは、宮崎で唯一、オオスズメバチの幼虫を巣ごと売っている店。
看板の並びからして、価値がうかがえる。

PA124252_convert_20111108133421.jpg

単価は、1キロあたり5千円。

昔貰って食べたことがあって、ハチを食うのはだいすき。
食べたいが、怖くて巣は自分で獲れん。
だから、季節になったらここで買って食べるんじゃ、って頬を緩めながら財布を開くおじいちゃんに会った。
“こんなうめぇもんはないぞ”、って。



旅のなかで出会うことのできた方々のほとんどがお金にはしない。
巣を獲ったら、近所や親戚で集まって飲み会。
“今日はハチ獲ったで、ハチ食いしようやぁ”って声をかける。
誘われたほうは、“おおー!そりゃぜひ!”って喜んで集まる。


ハチの子を肴に飲みながら、
“今日のハチはなぁ、巣までがえらい遠くて、ほんでまた大きな木の根っこがあったもんで、こんげこんげしてなぁ、苦労して獲ったとよ~”

ハチ追いの話に花が咲き、笑顔が広がる。
山を走り回ってとった、ほんとうのご馳走。
そりゃお酒もうまい。

命を懸けて巣を獲って。
そのハチを、喜んで食べる文化。
地元にはあり、されど6年前から暮らし始めた高知にはなく。
僕はどこか、さみしい思いをしてきたらしい。

いくら自分にとってすきなことでも。
その文化がないところでは、奇異な眼でみられてもしょうがない。
そりゃそうだ。


今回、ハチ獲りの文化があまりに濃く、当たり前に残る宮崎県北部を旅させていただいて。
ぼくは、ほんとうに嬉しかった。



相手の技術に、自分よりいいところがあれば。
そいつを本気で、なんとしてでも自分のものにしようという真剣な眼差し。

本気でやってるもの同士だから通じる、あの感覚。
真剣に気持ちを注いで得た獲物を、心から喜んでもらえるしあわせ。
分かち合える、気持ち。



うれしかった。
“あぁ、これでいいんだな。ぼくは。”って。

と、同時に。
痛いくらいに、学んだ。


自分が知らなかったり、普段から馴染みのない文化に触れたとき。
人はときとして、気味悪がったり、怪訝に思ったりする。
そして、何の気なしにそれを口に出したり、態度に出してしまったりする。
悪気はないんだ、ちっとも。
ひょいっと、口をついて出た素直な気持ち。

でも、その文化を大切にして生きてきた人にとっては。
それが、すごく悲しかったりする。


だから、何かに対して。
はじめて、その物や事に触れるとき。
世の中を知らない自分の頭で、最初から否定的にならないこと。




ことばを選ぶといえばいいのだろうか。
相変わらず、うまくことばにはできないが。

“考えてしゃべれよ”。
と父が昔言ったことばを、思い出した。



地元を離れたことで。
自分が生まれ育った中で培い、受け継いできた文化が。
特異なものであり、みんながみんなそれを喜ぶわけではないと気づけたこと。
さらに、人によっては気味悪く思うと知った一方で。
そのことによる、こころの痛みを知った。


そんな小さなことで悲しい思いをする、己の器の小ささがいけないのだが。
痛みの繰り返しのおかげで、平気になった。

そのうえに、新しいものに触れたときにことばを選ぶ大切を学べたのだから。
社会勉強の有難さを、いま思う。

ことばを大切にしていくことで。
人を大切にしていけるのかもな、って。
ふと、思ったりした。





この旅で宮崎の方々と出会うことができて。
ぼくはほんとうにうれしかった。

旅がぼくにくれた、大切なことたち。
大事に、したいな。
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お久しぶりです♪

北部九州では虫食の習慣がないせいか、蜂の子はまだ食べたことがないんです。

獲る時は合羽2枚と長靴ですね。
顔や手はどうしているのでしょうか?
差し支えなかったら教えていただけませんか。

No title

じゃんさん。
お久しぶりです!
現在、やっとワナを7つかけ終えたところです。
明日から見回りです~。

カテゴリ、オオスズメバチから“教授とはちとり”の欄をごらんいただくと防護服に身を包んだ写真があります。手袋をして、顔は覆面を被ります。人によっては、バイクのフルフェイスのヘルメットをつける人もいます!

No title

よーい
安武と初めて一緒に蜂を追って見つけた巣を先日掘ったよ!
そんな大きくなかったけど、蜂そうめんをちょこっとするくらいはあったかな。結局、上杉さんが掘ったけん、自分で掘るのは来年にお預けやね。
また、一緒にあそぼやね。

No title

ようへいさん!
ブログ楽しみに拝見してますよ~♪

そうだったのですね^^いいなぁはち掘りっ。初めて二人で見つけた巣でしたもんね。うれしいなぁ。また来年、はちの季節が待ち遠しいですね~。
プロフィール

atsutaya

Author:atsutaya




生粋の里山育ち。


*ククリワナ猟でイノシシやシカ。
*魚釣り、時に潜りとジゴク漁。
*貝にワカメにカニに山菜。
*秋はひたすらオオスズメバチ追い。

巡る季節のなか、自然に遊んでもらいながらも真剣に。
そんな日々の暮らしを綴るブログです。

著:(これ、いなかからのお裾分けです。)

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